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【漫画感想】心を病んだ父、神さまを信じる母 (宗教の在り方を考える)

漫画

こんにちは。

ずっと前に買ったエッセイ漫画(「心を病んだ父、神さまを信じる母」ゆめの著)を久々に読んだら、信仰と精神疾患という結構自分の中で重要なテーマを扱っているため、紹介していきたいと思います。

心を病んだ父、神さまを信じる母
ここに描かれた「本当のこと」は、きれいごとの作り話よりはるかに、読む人の心に希望を与えるだろう。──鶴見済 (ライター:...

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作品概要

ゆめの氏は無口な公務員の父とクリスチャンの母、そして兄の4人家族。普段から気難しい父がある日統合失調症になる。

幻聴が聞こえ、盗聴されている、敵に狙われていると妄想を抱く父は段々と奇怪な行動を取るようになり、仕事に行けなくなる。

仕事に行けない父の代わりに在宅で仕事をする母、家庭環境に不満を持つ兄とゆめの氏。仕事を休んでも病院に通ってもなかなか寛解しない父だが、“敵”からの声とは別の父の行動を諌めるような声を聞いたことで、それは神の言葉だったのでは?と思った父は母の信じるキリスト教に興味を持ち始める…

父の人間性について補足

ゆめの氏の父は保守的で厳しいエンジニアの父とあらゆることに無関心な母に地方で育てられた一人っ子。学生の頃から読書が好きで、学生運動にものめり込んだが、卒業後はゆめの氏の祖父の勧めもあり、公務員になる。

しかし、職場でうまく人間関係を築けなかったためかギャンブルにのめりこんで借金を作り、統合失調症になる。

元々、キリスト教徒たちが歴史上多くの戦争を起こしているから、父は母の信仰するキリスト教もくだらないと思っていた。

統合失調症になっても自身の病識がなくて、病院に勝手に行かなくなったりしていた父だが、常に間違えなかった祖父から病気と言われたことで、自身が病気であると認識する。

心を病んだ父、神さまを信じる母
ここに描かれた「本当のこと」は、きれいごとの作り話よりはるかに、読む人の心に希望を与えるだろう。──鶴見済 (ライター:...

全体的な感想

表紙を見ての通り、すごくシンプルな絵柄で生活を描いていくエッセイ漫画というジャンルにすごくフィットしている。

あまり外からは分からないようだけれど、いろんなところで発生しうる家庭の問題を淡々と描いていて、特別なことに思えるようなことが実は身近であるということを伝えるのに、すごく説得力のある絵柄だと思う

統合失調症の症状も知らない人にもわかりやすいように説明がされているし、それに振り回される家族の様子もリアルだった。母も一杯一杯で、子供たちもかなり辛そう。

今にも空中分解しそうな家庭をなんとかギリギリ維持できていることが誇張なく表現できていて、絵柄と表現したいことがドンピシャでハマっていてすごいなと思った。

考えさせられたこと

実は、私は個人的に宗教が嫌いでして、特定の宗教が嫌いというより宗教そのものが嫌い、宗教などいらないと普段言っているくらいの宗教アンチなのです。

その点が最初キリスト教を否定していたゆめの氏の父と重なるなと思いました。

私が宗教を嫌いになっていった過程は3つあって、一つ目がオウム真理教事件、二つ目が学生時代に小学校の同級生から宗教の勧誘を受けたこと(日蓮聖人に帰依しないと日本が滅ぶらしいw)、三つ目が元妻とその親族たちが宗教にハマって精神的に参ったことでした(元妻たちが言うにはサイババというインドの宗教家が本物の神様らしい)。
これら3つの過程に共通するのは、信仰の自由を無視して他人にゴリ押しで宗教を押し付けてくるタイプの宗教が関わっていることです。

あくまで私がこれまでに学んできたことをベースに言えば、宗教というものは元々はその土地その時代で生きるための知恵であり方法でしかありません。それなのに宗教で示されている生き方が絶対的に正しいと手段を目的にすり替えてゴリ押ししてくるのはおかしなことです。

特定の宗教を差別する気はないですが、例えば今日本で問題になっているイスラム教徒の移民などが日本の気候や法律を無視して、土葬を認めろだのと言うのはちゃんちゃらおかしいわけです。
昔は日本も土葬だったけれど、それは昔の話で衛生観念が進歩している現代では遺体から疫病が拡散するリスクを考えたらちゃんと火葬して消毒しないといけない。
気候も土の性質も違う他所の土地に来て自分たちの宗教はこうだから、それを認めろ、認めない奴は差別主義者だとか騒ぐのは
筋が通っていないのです。

話が逸れましたが、本の中身に戻ってゆめの氏の母の信仰についてもう少し触れると、彼女はホームステイした先が牧師一家でそこでの神様がいるという考え方、信仰を持つ生き方がマッチして世界が広がったとのこと。ですが彼女は家族にキリスト教の生き方を勧めるわけでもなく、ただ静かに信仰を持っている
これまでゴリ押し宗教に振り回された私から見たら、すごい生き方だなと思いました。ゴリ押ししないことに感動しました。

静かな信仰だからこそ、ゆめの氏の父もちょっとやってみるかとなるのですが、今度はキリスト教に熱中し始めてしまい子供達にキリスト教の素晴らしさを説き始めるようになってしまう。ゴリ押しタイプの宗教家になってしまう(泣)

今後、この父がクリスチャンを貫き通すだろうか考えてみます。
恐らく、きっかけがあればクリスチャンをやめてしまうだろうなと思います。

何故なら彼は父(ゆめの氏の祖父)が言うから間違いないと考えて公務員になったり、病気であることを認識したり、ゆめの氏の祖父に正しさの物差しを置いていたからです。他人に否定されてそれが納得できるものであれば、あっさり反転してキリスト教に反旗を翻すこともあり得ます。

作品の話からまた逸れて恐縮ですが、私が結婚していた頃に元妻と意見が衝突した際に、よく元妻から「それは誰が言ってたの?」と聞かれていました。私は自分で考えた結果、その答えを出したつもりでいます(もちろん、多少なり他人の意見を聞いて参考にはしていますが、丸々他人の考えをコピーしたつもりはないです)。

自分と元妻の意見が衝突するのは人間だからしょうがないとして、理解できなかったのが、なぜ「元妻は誰かの意見をそのまま言っていると考えているのか?」というところでした。
その問いは他人に正しさの物差しを置いていたから出てきたのだと、ようやくわかりました。元妻は元妻の母(私から見たら元義理の母)の考えにすごく感化されていた。つまりゆめの氏父と祖父の関係に近かったのです。
別れて10年近く経ってですが、すっきりしてよかったです。

私が宗教嫌いが治るには、ゴリ押し宗教に煮湯を飲まされまくったので難しいですが、ゴリ押しせずに静かに信仰を持っている分には、人によっては意味があり、人生を助けるものになるのかもしれないし、「宗教はいらない」と過激な発想を持つまでではないかもなと少し考えを見直すきっかけになったと思います。

長い文章になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。本の参考になった方がいたら幸いです。

心を病んだ父、神さまを信じる母
ここに描かれた「本当のこと」は、きれいごとの作り話よりはるかに、読む人の心に希望を与えるだろう。──鶴見済 (ライター:...

ゆめのさんの作品は他にも「ゆめのの日々」というエッセイもあって、こちらもすごく好きでした。(別の機会に紹介したいです)

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