前の記事で鬼滅をハガキアンケートで応援していた話を書いたので、もう少し、鬼滅の好きなところを書きたいと思う。
アニメと映画で話を追っている人は、この先ネタバレが含まれるので気をつけていただけたらと思う。
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私が一番好きなシーンは縁壱がすみれを抱き上げて泣き出すところである。
縁壱の人物像
縁壱って誰?すみれって誰?とアニメで追っている方は分からないと思う。
縁壱は戦国時代の最強の鬼殺隊士で、始まりの呼吸の剣士だ。遊郭で重体となった炭治郎の夢に現れた。炭治郎の夢に現れたのは先祖(炭吉)の記憶の遺伝によるもので、炭治郎の先祖は縁壱と出会っていた。
一方、すみれは炭吉の娘でまだ幼児である。
縁壱は上弦の壱、黒死牟(継国厳勝)の双子の弟である。戦国時代では双子は跡目争いの種となるため不吉とされていたため、最初武人の父親に殺されそうになったが、母の必死の反対で免れた。ただし縁壱は10歳になったら寺にて僧侶にするため家から出して、後継となるのは厳勝としたため、双子でも差をつけて育てられた。

縁壱は生まれた時から炭治郎みたいな痣が額にあり、生まれた時から「透き通る世界」を見ることができた。侍になるために稽古していた厳勝が一度も打ち込むことのできなかった剣の指南役に対して、縁壱は初めて竹刀を持たされたというのに一息に4発打ち込むことができた。剣の天才ぶりもこの時から見てとれる。
少し後に母が病気で他界した際に縁壱は家を出て行ってしまう。10歳にもならないくらいの縁壱が1昼夜走っても息が乱れなかったという化け物描写がなされている。縁壱は”うた”という家族を亡くした少女と出会い、一緒に暮らすようになる。
体力面では化け物じみたスペックを誇るが、精神的にはすごく物静かな人で、感情を表に出すことがほとんどなかった。単行本のおまけページの中でワニ先生が「大声で笑っていなければ楽しいと思っていないわけではない」と解説を挟んでいる。このワニ先生の解説にものすごい勢いで頷いていた。私自身、「毎日笑顔」とか「最高の出会いに感謝」みたいなフレーズつけて、大口開けて笑っているインフルエンサー(笑)に辟易していたからだ。
縁壱、鬼殺隊へ
しかし、縁壱の幸せは長く続かなかった。うたと夫婦となり、直に出産という段階で縁壱のいなかったところで鬼にうたとお腹の中の子供は殺されてしまう。鬼を追ってきた鬼殺隊士と出会い、縁壱は鬼狩りになった。当時の鬼殺隊では炎や水といった剣技の型はあったが、「呼吸」という技術がなかった。呼吸を初めて使えたのが縁壱で、縁壱の剣技と呼吸が日の呼吸(竈門家に伝わるヒノカミ神楽)になった。縁壱は人に教えるのもうまく、呼吸法を変えて他の隊士にも教え、それが水の呼吸や炎の呼吸などの派生となる。
一方で、侍となっていた厳勝は鬼に襲われていたところを縁壱に救われ、その剣技を自分のものにしたいと思い、妻子を捨てて鬼殺隊に入る。ただ自分よりも優れた縁壱への嫉妬心と焦りのために無惨からの鬼への勧誘を受けて鬼殺隊を裏切り鬼になってしまう。
縁壱は無惨と対峙し、追い詰めるものの逃げられてしまう。無惨を逃したことと厳勝が鬼になったことなどの責任を取る形で縁壱は鬼殺隊を追放された。
追放された縁壱がかつてうたと暮らしていた家に行くと、炭治郎の先祖夫婦が鬼に追われていて、その鬼を倒したことで炭治郎の先祖夫婦と仲良くなった。先祖夫婦はかつて縁壱とうたが住んだ家に暮らすことになる。(そのまま炭治郎の代まで先祖代々住み続ける)
物語では先祖夫婦が定住してから2年くらい経ち、縁壱がふらりと竈門家に立ち寄って自身の過去を語り、その後すみれを抱き上げるシーンへと繋がる。

感情の洪水
「誰かに話を聞いて欲しかった」といって、縁壱は炭吉(炭治郎の先祖)に生い立ちから鬼殺隊を追われたところまでを語る。考えや気持ちを整理したいときに人は話を聞いてもらったり、文章にしたりする。どう整理したらいいか分からない感情で縁壱の中は渦巻いていたのだろう。縁壱が話終わって、重い沈黙の中、炭吉と一緒にいたすみれが縁壱に抱っこをせがむ。抱き上げられてはしゃぐすみれ、縁壱は泣き出してしまう。
妻子が殺された後もぼんやりと10日ほど亡骸を抱いていた縁壱が、無惨に怒りも覇気もないと言われた縁壱が、表に感情を出したのだ。子供を失った縁壱が自分の子供にしてやれなかったことをすみれにできて、救われたのだと思う。
個人的な話で申し訳ないが、私自身、小さな子供と別れて暮らさなければならない事情があり、縁壱にすごく共感した。
その後の縁壱、無惨との対比
縁壱はその後竈門家を後にするが、その時は笑顔でお礼を言っている。そこから60年以上経ち、老いた縁壱は黒死牟と対峙し、涙を流している。わずかな描写でわかる限り、竈門家を出た後は感情を表に出すようになっているのだ。
圧倒的な体力と静かな性格を持った縁壱。それは無惨の目指した姿、憧れた姿だったのでは?と最近になって思うようになった。無惨は最初死産で、20になる前に死ぬからと治療を受けた結果鬼になり、不死身の肉体を得たが太陽の下に出られず、人間を食わなければならない。人間を食うと鬼狩りたちに追われ続ける。変化は劣化と言い、その変化の中には感情の変化も含められている。炭治郎たちに静かに日銭を稼いで暮らせよと言い出したり、無惨は本当は静かに暮らしたかったのではないだろうか。
個人の感想でしかないが、鬼滅を読むと少しだけ優しさを思い出せるような気がする。そういう効用があるのではなく、個人の感想である。ワニ先生、素敵な作品をありがとう。
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